前節、ジェステの芸術FKで快勝したビルバオ。

王者マドリー相手に続けて見せられるか…??

ビルバオのスタメンは、アランスビア、コイキリ、アモレビエタ、オシオ、ウスタリツ、ダビドロペス、ジェステ、マルティネス、イラオラ、エチェベリアジョレンテ
これは明らかにホビーニョを警戒したスタメン構成。

一方マドリーのスタメンは、
カシジャス、ミゲルトーレス、ペペ、カンナバロ、セルヒオラモス、ディアラ、バティスタスナイデル、ホビーニョ、ニステルローイゴンサレス
どうやら、シュスターは今後も4−4−3を基本線とするようだ。

サポーターに限らず、指導者もかの“オランダの神”を崇拝する人が多い。
リーガのチームには前線から鬼プレスを仕掛けるチームが非常に多い。
中には90分間足が止まらない異質なチームまである。
たとえ、試合に負けてもポゼッションサッカーで負けることが大嫌いらしい。
なので、頑なにセリエAを否定する人たちばかり…^^;

そんな中でビルバオは別格。
ロングボールを多用し、前線からのプレスもほとんどしない。
だから、ビルバオ相手にボールをキープできないとマジやばい!!
しかし、
この試合のビルバオは前線から激しいプレスを見せた。
特にダビドロペス、イラオラの両SHは
レアルの両SBに相当な圧迫感を与えていた。
もちろん、レアルの両SBも面食らっていた。
さらに、エチェベリア×ジョレンテコンビも両SBがボールを持つと、
CBへのパスコースをきっていた。
献身的に走り回る前線の姿に強烈な違和感。
中盤のジェステ、マルティネスもレアルの中盤の選手をマークする意識が高く、
マドリーはこの前線からのプレッシャーに圧倒されていた。
しかし、そんなことを普段やっていないビルバオに90分間、
期待するのは間違いで、プレスが続くはずない…。
早くも開始15分過ぎにはもうペースダウンしていた。
ビルバオの基本攻撃パターンはジョレンテへの放り込み。
適度にジョレンテが競り勝つことが大前提。
しかし対するのは、
空中戦に強いペペ&ひとりカテナチオのカンナバロ。
そしてその前には、怪人ディアラ。
予想通り、ジョレンテはほとんど競り勝てなかった。
前半ロスタイムにジェステにボールを繋いだ場面は見事だったが…。

稀だがリーガエスパニョーラにもお手本となるチームがある。
そう、セビージャだ。
ダニエウ・アウベスカヌーテの黄金パターンは天下一品。
しかし、ジョレンテカヌーテはやはり違いすぎるし、
そのセカンドボールを拾い捲るレナトになるべく選手がビルバオにはいない…


エース・ジェステに
そういった献身プレーを求めるのは、違うと思うし、


マルティネスがやってしまうと中盤はジェステだけになってしまう。
そういう展開の中、どんどんビルバオは自陣に引き出し、
苦しめられていたマドリーの中盤は時間の経過と共に、
プレスから開放されていった。
カンナバロがやっちゃったシーンがあったが、
カシジャスのスーパープレイで惜しくも…。
やっぱり、マドリーにはこの男がいるんだよなぁ〜


一方、ビルバオのホビーニョ対策は利いていた。
ホビーニョは徐々に試合から消されていった。
ウスタリツのマンマークにホビーニョは手も足も出ない。
ガゴがいれば多少ボールを回せたのかもしれないが、
肉弾戦が予想されたビルバオ戦ではガゴは厳しいかもしれない。


こんなときにかりにバルサはどうするのかな…。
シャビ&デココンビでどうにかするのか…。
それでもダメな時はイニエスタのドリブル突破か、
メッシ、ホナウジーニョがボールをもらいに下がってきて、
自力でどうにかするか…。

マドリーの場合というと、
左サイドコンビだった。
ミゲルトーレスのフリーランニングで相手をひきつけ、
そこをホビーニョが抜群のキープ力でサイドチェンジ。
最後はラウール!!
そこから流れは一気にマドリーへと傾く。
これで試合に入ってこれたホビーニョ。
ウスタリツから逃れるように、中央から右サイドにポジションチャンジ。
その開いた左サイドに入ったのは、
FWなのにエゴがないチームプレーのお手本の
キャプテン、ラウール。
バティスタニステルもきちんとフォローしていた。
このポジションチェンジでホビーニョが輝きだす。
ロングボールばかりだった前半20分くらいまでとは全然違う展開に。
特にスナイデルバティスタがうまくボールに絡み、
両SBも効果的に飛び出して攻撃参加。
ホビーニョ潰しが目的のウスタリツはやることがなくなったのか、
オルバイスとチェンジ。
結局、前半は0−0で終わったが、流れは完全にマドリー。

後半、ジェステをトップ下にしていつもの4-5-1にしたビルバオ
マドリーが後半も攻勢に出る。
ここ最近続いている前線3人のプレッシャーはこの試合でも健在だった。
ラウール、ニステル、ホビーニョはきちんと守備をするようになった。
追加点のシーンは、そんな献身的プレーから生まれた。
ラウールの守備からニステルがボールを奪うとドリブルで仕掛け、
エリア外ミドルをズドーン!!
後半10分。

追い込まれたビルバオはアドゥリスを投入。
ホームでこの状況なので、ジェステは攻撃的に成らざるをえない。
両サイドのエチェベリア、ダビドロペスも攻撃的に振舞う。
マドリーもアウェーなのに追加点を虎視眈々と狙う展開。
後半25分にホビーニョが中央突破でミドル。
が、今度はポスト郵便です!
ジョレンテの決定的シーンも枠へ行かず。
そんな展開なので、バスク人も不満が溜まり出し…
後半31分、
ゴールキックを蹴ろうとしたカシジャスに紙コップが投げ込まれ、
試合中断。
その機にスナイデル→ガゴへ。
後半37分にニステルローイグティ
スーパーサブの登場。
後半42分にホビーニョ→ロッベン
これはもうあきらかに時間稼ぎ。
試合はそのまま終了。
たとえホームでも、
ノーマルなビルバオでは今のマドリーに勝つのはキビシー。

前述のレナトダニエウ・アウベス、ポールセンがいないけれども、
ビルバオには、タイプが違えど好選手が多い。
イラオラやエチェベリアなどサイドアタッカーはホント遜色ないし。
しかし、
カヌーテになるべく選手がいないのは、


痛すぎる!!


セビージャのあの戦術はカヌーテありきなのだから…。
このまま、ジョレンテに期待していて良いのだろーか...。