結果だけ見ると、3ー0。

完勝と呼ぶべきスコアだが、
実際は大きく異なる。


一時は予選敗退が超現実的になっていたが、
予選突破が確定したスペイン。
このホームでのスウェーデン戦、
勝たなければならないスペイン。
引き分けでも十分、負けてもさほど痛くないスウェーデン
この時点で決まっていた感はあった。


スペインのメンバーは、カシジャス、カプテビラ、マルチェナプジョルセルヒオ・ラモスアルベルダ、シャビ・エルナンデス、ファブレガス、シルバ、イニエスタ、ビジャ。


う〜ん…


ビジャの1トップ…??
しかも、
サイドにイニエスタ…^^;


明らかにバルサスタイルを意識しているのだろーけど、
いまいちよく判らん…アラゴネス采配。


一方、
スウェーデンのメンバーは、イサクションエドマン、ハンソン、メルベリ、ニルソン、リュンベリ、スベンソン、アンデション、ヴィムヘルムション、ローセンベリ、イブラヒモビッチ


右SHにイニエスタ
本来ならホアキンを使うべきボジジョンだが、
ポゼッションを重視を意識したのか…。


従来の
4−3−3ではなく4−1ー4−1で試合を進めるスペイン。
狙い通り、
ボールを支配していた、スペイン。
上手くボールが回るから。
いい感じ…
いや、
実際は違う。


支配させられていた。


そう…
ボールを持たされていたというべき。


スウェーデンはオーソドックスな定番の4−4−2。
DFライン、中盤のラインを下げないように気を使っていた。
できるだけ中盤をコンパクトにする。
そして、ゴール前まで進入させないようにする。
やっぱりこのチームは、
モラル良し、組織良し、フィジカル良し。


だから、
いくらボールを回せても、
スペインはなかなかフィニッシュまで持っていけない。


このチームの凄いところは、
イブラヒモビッチローゼンベリ
2人とも非常に上手くスペースを埋めていた。
ボールに寄せに行くことはあまりないので、
守備をしていないに見えるが、
抜群のスペースを埋める働きをしていた。
2人の位置はかなり低かった。
センターサークルよりも自陣よりで。
熱心に相手を追い掛け回すわけではないのに。
いざというときしか中盤をカバーしなかったから。


もっと必死にスペースを潰していたら…


スペインがボールを回して、
サイドにふるが詰まって、逆サイドに展開する。
良くあるパターン。
しかし、
このチームには致命的な欠点がある。
長いサイドチェンジが出来る選手がいない。
そう、


シャビ・アロンソがいないのだ。


もともとスペイン、
サイドプレイヤーはピンポイントクロスを得意としているような選手はいない。
ベッカムやシュナイダーのような…。


なので、
シルバからアルベルダ経由でセルヒオ・ラモスへとなる。
しかし、
アルベルダの近くにはイブラヒモビッチローゼンベリがいるので、
CB経由でサイドチェンジするかたち。
だから、


サイドチェンジする意味がなくなる。


そのタイムロスがスウェーデンに守備体型を整える時間を与えてしまうから。
ボールを回されているだけのやばいスペイン。
こういう時は、
流れを変える個のちからが不可欠になる。
たとえば、
アルベルダの代わりに組み立てる選手、
強引に攻めあがるSB、
フリーランニングを行い、スペースを自ら造り、そこへ飛び込んで行く選手、
自分のゾーンを捨てて孤立しているビジャをサポートする選手。


それが出来なかったから、
いつものスペインになってしまっていた。
14分までは…。


そんなマズイ展開のスペインだが、
いつもと違うことが起こる。
セットプレーから、カプテビラがゴールを奪う。
高さには自信があるスウェーデン
ショックは大きかったはず。


その先制点後にイニエスタがようやくゲームに参加する。
ようやくポジションをサイドに限定することなく動き始めた。
イニエスタの持ち味はチームに必要なポジションを瞬時に判断でき、
自分が右サイドだとしても、躊躇なく左サイドへ行けること。
純粋なサイドプレイヤーがいるのがこちらだけだったからか、
この試合のスペインは左サイドからの攻撃が多かった。
ただいま絶好調のカプテビラがいるサイドだからか。
イニエスタも左サイドにやってくる。
完全に右サイドを捨てて、
左サイドからイニエスタ、シャビ、カプテビラの見事な連携で2点目を奪う。


おい×2、イニエスタやっと出てきたけど、
シルバは何処へ…^^;


流れを変える気がないように見えたスウェーデン
ものすごく消極的。
会場ではラウールコールが起こっていた。
サンチャゴ・ベルナベウだから当然といえば当然。
その声援に答えるべくラウール投入。
といっても、


ゴンサレスくんではなく(だっていないもん)、
ラウール・タムード^^;


ついでにホアキンも投入。
イニエスタとビジャはお役御免。
ダメ押し点は、またもセットプレーからセルヒオ・ラモス
相変わらず、
セットプレーからの得点力は高いセルヒオ・ラモス


これで、
試合は決まってしまった。


選手と観客は本大会出場を決めて喜びに沸いたと思うが、
はたして満足して良いのだろうか…。
少なくとも、
このままでは、優勝は狙えない…。
試合内容はいつも通り。
でも、
いつもと違ったところは
点が取れただけ…。


不安だらけだと思うけど…。
まぁ、とりあえず予選突破したからオッケーなのか…。