良くありがちなことだが、
監督解任直後には、モチベーションの高いサッカーを見せるチームが多い。
シーズン途中での監督交代は、まさにそれが一番の目的なのだが…。
しかし、
バレンシア、その監督解任による好転機はもはや…。
バレンシアのスタメンは、
カニサレス、アルビオル、マルチェナ、ミゲル、モレッティ、ホアキン、エドゥ、フェルナンデス、シルバ、ビジャ、モリエンテス。
一方のアスレティックビルバオ。
とうとうエースのジェステが怪我から帰ってきた。
ビルバオのスタメンは、
アランスビア、コイ、アモレビエタ、ウスタリツ、イラオラ、オルバイス、ガビロンド、ダビドロペス、ジェステ、ジョレンテ、エチェベリア。
最近のバレンシアはボールをキープすることは多いが、
だからといって、それで何もできていないことが多い。
ラシン戦では満足ににボールも回せなかった。
ビルバオは、組織的な守備が上手くはないので、
ボールキープできないようでは、先が思いやられる。
最終ラインはそれなりに強いが。
実際、
前節までのようなネガティブな感じではなく、
この日のバレンシアはよくボールを回せていた。
しかし、
ポゼッションの要である、両SBが機能仕切れてはいなかった。
SBが上がってこないと、SHの位置取りが低くなり、
相手のディフェンスラインが連動して高くなるからだ。
ファウルしてもFKでやられる場所でもないので、
ディフェンス側からすると怖くない。
以前は、ビッグクラブがみんな注目していたミゲルも最近は…。
逆サイドのモレッティは攻撃にそれほど期待できるキャラでもない。
ただ、2人とも攻撃の意識は依然に比べると高くなってきているとは感じた。
ビルバオの攻撃はというと、
ジョレンテをポストとし、チーム全体のポジショニングが中央に寄り気味。
それに対応して、バレンシアも人数を合わせるために中央による。
すると、サイドが空く。
その空いたスペースにSBや中盤の選手が飛び込んで行く。
ビルバオはサイドからフリーでディフェンスラインの裏を取ったり、
そのままサイドから崩しができていた。
オフサイドで取り消されたが、前半9分のシーンは良かった。
開始から、ビルバオの奇襲に危ないシーンを続出させたバレンシアだが、
ようやく20分頃に、落ち着きだしてきた。
ポゼッションもリスクをかけすぎることなく、横パスやバックパスを多様し、
ボールを奪われることなく何度かフィニッシュまでいけていた
前半19分には、ビルバオの早い攻守の切り替えの前にディフェンスラインがパニック。
ミスパスから裏を取られ、あわやのシーンもカニサレスのファインセーブでなんとか…。
バレンシアは、相手ゴール前まではもっていけるが、
なかなかフィニッシュまでは持っていけない。
一方のビルバオは速攻を繰り返す展開。
バレンシアはCBにミスが多かった。
でも2人ともスペイン代表なんだよね…いちおう。
前半30分すぎ、
ボールを奪ったと思ったら味方に当たり、
それがスルーパスになるシーンもあったバレンシア。
その後、ビルバオにFKを与え、それをジェステ決めて、ビルバオ先制。
さすが、ジェステ!!!
明らかに、ビルバオはカウンター狙いなのだが、
全速力で守備に戻れる選手がいない。
ホアキンやシルバにそれを期待しても…。
それに加えて、CBがあれでは…(泣)
メスタージャでのホーム戦、攻めるしかなバレンシア。
後半開始早々、ホアキンの突破から中央でボールを繋ぎサイドをえぐって、
あわやのクロス。
久々の決定機。
その後もゴール前でFKを得たが、ビジャは壁に当ててしまう。
後半8分にオルバイス→マルティネスへ。
どうやら、アクシデントのよう。
その後、
ミゲル×ホアキンコンビを中心にバレンシアは徐々に押し込み始める。
ボールも高い位置で保持するようになり、
クロスを上げる場面も前半に比べると増えだした。
しかし、モリエンテスにななかなか合わない。
後半15分にはシルバがセンターに寄ってくる。
ミゲルとのワンツーで突破を試みるが防がれ、
逆にカウンターを喰らう始末。
エチェベリアのドリブルでビルバオは崩しにかかるが、
こちらも最後のところで呼吸が合わず。
イラオラがドリブルで持ち込んだ場面も、
シルバは中に絞ったままなので、広大なスペースが存在していた。
エドゥはイラオラにプレスに行こうとしたが、モレッティにチェンジ。
本来そこにいるべきロペスは、中央からする上がってくる。
それにエドゥは待ったく気付かず。
ロペスにボールが渡った時はもう遅し。
クロスボールはドンピシャでジョレンテへ。
ビルバオ追加点。
カウンターへの対処、選手のポジションチェンジに伴うケアに
バレンシアは全く対応できなかった。
追加点を取られたことで、
モリエンテス→ジキッチへ。
もはやパワープレーに走ることみえみえ。
そして同時にマヌエル→ビセンテ。
こうなればもはや、アタックオンリー。
後半24分にビルバオはガビロンド→ムリージョでしっかりとホアキン対策。
バレンシアもエドゥ→アルベルダへ。
この試合のエドゥは酷かった。
全く機能しなかったのも痛いが、パスミスも多かったから…。
後半30分にはジェステ→ガルメンディアへ。
ビルバオはもう逃げ切るだけ。
結局、
ロスタイムに、またもジョレンテに決められ万事休す。
クーマンの目指すものがよく分からない。
オランダ人だし、
あの“神”のもとで育った人だから、
ポゼッションサッカーを標榜しても
なんら不思議ではないのだが、
今までのチームでは個人に依存したカウンター戦術だったはずなのに…。
もともと、バレンシアはリーガでは珍しいカウンターのチーム。
そのチームにカウンター戦術を取っていたクーマンが、
ポゼッションスタイルへ変更させようとしているのは凄い驚き。
攻撃はタレントも揃っているし、
慣れてくればそれなりにこなせると思うが
(まぁ、ビジャの良さは少し消されてしまう気がするけど…)。
ただし、
ディフェンスは慣れ浸しんだスタイルではないので、
かなり時間が必要だと思うし、
向いてないのかもしれない…。
まぁ、あとはクーマンの根気次第なのかな。
ただ、
そんなに時間をかけて、メスタージャのファンは待ってくれるのか…。