クラシコの前に決まっちゃう…??

チャンピオンズ・リーグで早々と敗退し、
リーガに全力を注げる状態だが、
いまいち並みに乗り切れていない感じのマドリー。
取りこぼしも多い気がするが、
対抗のバルセロナはそれ以上に…。
ただ、
今節の相手はラシン。
こちらも来期CL出場を狙う位置にいるので、
マドリー相手とはいえ負けられないし、
簡単な相手ではない。


ラシンのスタメンは、
トニョ、ピニジョス、ディアス、ナバス、モラトン、セラーノ、コルサ、ドゥシェル、ロペス、チテ、ムニティス。


レアル・マドリーのスタメンは、
カシジャス、セルヒオ・ラモス、カンナバロ、ペペ、エインセ、ガゴ、ディアラ、スナイデル、ロッペン、ホビーニョ、ゴンザレス。


マドリーの試合を見ていると、
シュスターの苦難が伝わってくる。
クラブの象徴のラウールと、
グティの使い方が…。
前チームのヘタフェで、
めまぐるしく動くムービングサッカーを
披露していたシュスターが、
ビッグクラブの縛り、
というよりは、
レアル・マドリーというチームが持つ、
特異性に嵌ってしまっている…と。
当然、
グティを使えば、
守備面で不安が増大、
ホビーニョ、
ラウール、
ファン・ニステルローイ
魅力的とも言われるこの前線は、
3トップと言っても良いのだろうか…
という感じで、
いびつ間満点。
結果として右サイドのバランスを
セルヒオ・ラモスに全てを託すしかない訳で…。


ただこの試合は、
その頭痛の種であるグティが出場停止。
個人的には残念なのだが、
チームのバランスを考えた場合は…。
よって、
ガゴがアンカーで、
ディアラ&スナイデルの逆三角形。
3人とも攻守に貢献できるので、
周りの選手に余計な負担がかかることはない。


そして、
ファン・ニステルローイもいない。
よって、
前述の変則的3トップを使う必要がない訳で。
前線の形はラウールが頂点で、
左にロッベンで、
右にホビーニョ。
このロッベンとホビーニョは頻繁にポジションを入れ替える。
選手の離脱が、
良かったわけではないだろうが、
結果オーライ感は漂ってくる。


ラシンは前線から積極的なプレスを仕掛けてくる。
ムニティス&チテはどこまでも相手を追いかけるし、
DFとMFもそのプレスに連動して、
どんどん前線から攻撃的な守備を行ってくる。
そんな相手にポゼッションできるチームはなかなかいない。
しかも、
ポゼッションが高くなると、
何故か、
負ける可能性が高くなるこの頃のマドリー。


ラシンのそんな鬼プレスにもかかわらず、
マドリーはボールを支配していた。
DFラインも闇雲にボールを蹴らずに丁寧にボールを繋いでいた。
スナイデル&ディアラが精力的に動き回り、
ロッベン&ラウールとダイレクトパスで相手ゴールに迫っていた。
ボールを出した後の動きもすばやく、
全体的にワンタッチのパスが面白いように繋がるマドリー。


特にスナイデルは良かった。
周りが効果的に動いているので、
自分のタスクに集中すれば良いだけだったスナイデル
なので、
前線の選手に楽な状態でボールを繋ぎまくっていた。
そして、
批判が絶えなかったディアラもどうして…どうして。


高速パスでラシンを崩しにかかるマドリー。
ダイレクトパスでフリーになったホビーニョのクロスを、
ラウールがらしさを見せつける動きで合わせて、
マドリーがあっさり先制。


先制されたラシンが、
20分過ぎ頃から攻勢に出だす。
マドリーは4-1-4-1へチェンジして対抗する。
しかし、
守備の準備ができているときは良いが、
マドリーが攻撃を仕掛ける

相手ゴール前までせまる

ボールを奪われる流れの時に、
ラシンのカウンターを潰す守備があまり行えていなかった。
時々、
ロッベンがプレスをかけて攻撃を潰せていたけれど、
それはあくまでたまたま…。
つまり、
攻守の切り替えが遅く、
攻撃のときに守備の準備ができていない。


また、
クサビのボールを入れられる

ムニティスにカンナバロがついていく

中盤と連動して挟み込めてない

波状攻撃をくらうといった感じで…。
問題は、
ガゴがボールに寄せ過ぎていたから。
ただそれは、
ディアラ&スナイデルロッベンがもっと
懇親的な動きをしなくてはならないんだろーけど、
現実問題、
それを求めるのはなかなか難しい。


ボールを回して攻撃を組み立てるチームは、
攻守の切り替えがやはり、
キーポイントになる。
攻撃時、
ホビーニョとロッベン
各々右・左サイドを頻繁に入れ替わるスタイルは、
見ていて面白いのだが、
もうちょっと、
サイドに張り付いていても、
良い感じもした。
実際、
相手にとっては、
その方が嫌な気もするし…。


あとこの試合、
いつもは上がりすぎって感じがする、
セルヒオ・ラモスがほとんど攻撃参加をしなかった…。
いつも以上の速いパス回しについていけなかったのかも。


ラシンに流れの中からチャンスをほとんど作らせなかったが、
セットプレー時の守備対応に不安があるマドリー。
特にこういうゲームの時は、
注意しないといけない…。


後半に入ると、
マドリーは守備意識を高めて、
攻撃のスピードも落とし、
無理はしなくなった。
前半は縦への意識が強かったが、
後半は横への意識が強くなって、
ディアラがゲームのリズムをコントロールしていた。


一方のラシン、
チテがサイドに流れて、
ドゥシェルスモラレクが動き回り、
徐々に流れを引き寄せようとしていた。


しかし、
マドリーのDFラインが堅い。
ダテに全員がCBが出来る4枚ではないね。
スモラレクのパスをチテが抜け出した決定機も
エインセが絶妙なカバーリングで見事対応。


後半のマドリーの攻撃はカウンターが中心。
スナイデルが相手の裏を取り、
ボールをキープして攻撃を仕掛けていたが、
ロッベン&ホビーニョがあまり仕掛けなくなっていた。
正直、
ロッベンの調子のバロメーターは良く分からないが、
怪我から帰ってきたホビーニョはまだまだの状態。
この2人が突破できなければ、
マドリーの攻撃も半減するわけで…。
しかも、
両SBはFWを追い越すような攻撃は抑えていたし…。


ラシンの攻撃時間が続いたが、
カシジャスも一時期の混乱状態を脱したようで、
安定したプレーでチームを支える。
そして、
ロスタイムにイグアインがトドメの一撃。


ラウールがトライアングルの天辺を担うのは、
さすがにちょっと難しい…。
ただその問題も、
ファン・ニステルローイが帰ってくれば、
解決するのだが、
そうなると、
やはり、
ラウールをどう使うのか…??
が、命題になってくるわけで…。
さぁ、
シュスターの結論は…。