「強い」と呼ばれているものは好きではない。

ジャイアンツ・ニューヨークヤンキースなどの
野球チームもしかり、バルセロナレアルマドリーチェルシー
ユベントス・ACミランなどのサッカーチームもそう。


しかし、このチームというか人物だけは違った。
そう、引退を発表した皇帝シューマッハーだ。
『勝つためなら何でもする』
『度を越した自己中心的』など
批判の声も多かった。
確かに「行き過ぎ」と思えることもあったが、
なぜか嫌いになれなかった…。


理由として「ドイツ人」だからかもしれない。
そう…
サッカードイツ代表に魅せられてから…
『ゲルマン魂』に見せられてから。
今ではもはや、死語かも知れないが…
『どんなに追い込まれても最後まで諦めない!!』
その姿に感動したし、驚かされた。


サッカーとフォーミュラーワン。
ジャンルは違えど、同じチームスポーツ。
その『ゲルマン魂』が皇帝の中に見えたからなのか…。


F1が一番盛り上がった時代、
そう、プロスト・マンセル・ヒル、そしてセナが凌ぎを削った頃は
F1を知らなかった…。
彼らを知ってF1の虜になった人がほとんどのようだが、
自分にとっては皇帝こそが、F1そのもの。
その人が来年からいなくなってしまうのは…。
“ミスをしない男”と呼ばれてきた男が、
最近ミスをするようになってきたので、
引退も近いとずっと言われてきたが…。


はたして、来年から見るのだろうか…。


若い優秀なドライバーはたくさんいる。
来年から名門フェラーリで皇帝の座を引き継ぐ彼も素晴らしいし、
スペインの最年少チャンピオンなどは、はっきりいって天才。
ホントびっくりする。
全くといって良いほどミスをしない。
まさにかつての皇帝のよう。


正直、まだまだ彼らの「倒すべき壁」として君臨して欲しかった…。


寂しい…


本当に寂しい…


けれども、
『最後まで絶対に諦めない姿』は
これからもずっと自分の心に焼き付いているだろう。