もう3週間前の試合になるが、クラシコをやっと見た。
今や世界で一番面白いと言われる、リーガ・エスパニョーラ。
その中でも、レアル・マドリーバルセロナ戦は世界中のファンが注目している。
WOWWOWに加入していないので、生では見れないのを凄く悔やんだが…。
マドリーは絶対に負けられなかった。
前回の対決で完膚なきまでに叩き潰されたから。
名将カペッロを召集したにも関わらず、波に乗れていないから。
ホームのサンティアゴ・ベルナベウで負けたなら大変なことになることは、
監督・選手共々充分理解していただろう。
ただ今回、マドリー有利という声もあった。
バルサのエースストライカー、エトーがいないからだ。
グジョンセンやサビオラではバルサの9番になれない。
2人とも良い選手だが…。
やっぱり、役不足……。
バルサといえば、エトー&ロナウジーニョ・ガウーショのホットライン。
その代名詞的コンビがいないのは、痛かった…。
名将カペッロはとにかくロナウジーニョを消すことに尽力した。
センターバックのセルヒオ・ラモスを、右サイドバックで使い、
ロナウジーニョの縦への展開をケアした。
いまや世界No.1のファンタジスタとも言われるロナウジーニョ、
一番危険なのは明らか。
しかも、サイドを制覇されてしまうと一気に最悪のケースまで
いかれてしまう。
だから、ロナウジーニョのドリブルを中央へと誘い込んだ。
縦を切って、内側へと持って行かせる。
潰されるごとにホナウジーニョも途中から気づいたはず。
中央の壁を崩さないと、ゴールは生まれない。
しかし、フィールドの中央で待ち構えていたのは、エメルソンだった。
世界No.1ボランチと呼ばれる彼。
エメルソンの仕事は、ロナウジーニョ狩りだった。
カペッロがもっとも信頼しているボランチなのは、数字や実績からも伺える。
ローマの監督に就任して最初のシーズンに結果を残せなかったカペッロは、
レバークーゼンからまず、エメルソンを引き抜いた。
そして、翌シーズン、スクデット獲得。
04−05シーズン、ユベントスの指揮官になった時も離さず、エメルソンを連れて行った。
そして、またもスクデット。
きっと、大好きなのだ。
彼なくして、カペッロのサッカーは成り立たないかも知れない…。
フィールドプレーヤーで出場時間が最も多いのがエメルソン。
ちなみに、バルサのライカールトは、ロナウジーニョ、その次にデコ。
なんとなく、分かるでしょ!!
ロナウジーニョなくしてバルサは語れないから。
カペッロvsライカールト。すなわち、エメルソンvsロナウジーニョ。
サイドからピッチ中央におびき寄せられて、エメルソンに潰されるロナウジーニョ。
そう、ロナウジーニョが消えたら、バルサはバルサではなくなってしまうのだ。
前半開始早々、セルヒオ・ラモスのクロスから、キャプテン・ラウールが頭で先制ゴール。
セルヒオ・ラモスにあっさりクロスをあげさせたことをライカールトは怒っていたが、それよりも、あのクロスに対応できなかったテュラムはヒドイ!!
「そんなことして、ホントにあの“リリアン・テュラム”なのか!!」
マークがゆるいどころか、ボールに対して思いっきりかぶってしまったじゃん!!
バルサのセンターバックと言えば、マルケス&プジョル。
クラブではNo.1コンビとも称されるが、今シューズン、その控えに
あのユベントスから、テュラムを引き抜き(貰ったようなもの…)、
磐石のディフェンス陣になったはずなのに、そのテュラムが…。
偉大な彼でも、やはり初めてのクラシコに飲み込まれてしまったのかもしれない。
それでも、ライカールトがこぼしたように同点のチャンスもあった。
ロナウジーニョが消えても、メッシがひとりで頑張った。
しかし、この夜のカンナバーロは素晴らしかった。
ワールドカップではジダンにMVPを奪われたが、今でも“真のMVP”は彼だと思っている。
最近は、あまりパッとしなかったカンナバーロだが、
まさにそれを思い出させるパーフェクトなデキだった。
彼を突破するのはハードワークだと分かっていても、この日はメッシの個人技だけが頼りに見えた。
だからこそ、エトー不在が一段とクローズアップされた。
もうすぐ、冬の移籍マーケットの時期がやってくる。
エトーは早くてもあと3ヶ月は帰ってこれないだろう。
バルサがアタッカーの補給に動くのか…
サビオラがまたベンチから外れるのは悲しいけど。
もしかするともしかして、アドリアーノなんて噂も…??
インテルではもはや戦力外。
インテルから出るのも時間の問題と言われている。
はたして、アドリアーノは来るのだろうか…。