きっと社会人なら誰もが思ったことがあるだろう…。


「どうして上司は私のことを理解してくれないの…?!」
「なぜクライアントは、無理難題ばかり言ってくるの…?」
「そんなこと、無理に決まっているだろう。少しは考えてから言ってこい!」


自分の周りにいるのが、配慮のない無理解な人ばかりに思えることがある。


そう感じてしまうと、
仕事がやり難いだけでなく気持ちも沈み、モチベーションの低下が著しく、
本来の自分の力など発揮できないはずだ。


「オレはこの仕事をやり遂げたいと思っているのに、
上司や職場環境がそれを邪魔する」


そう感じたとき、どうしたら良いのだろうか…


なんでもセラピーの世界では、
人の心と行動の不自由さの原因を「接触境界の機能不全」と扱うらしい。
接触境界というのは「自分」と「自分以外のもの」を隔てる境界のことだそう。
接触境界がゆがんでいると、自分の外側の世界と内側の世界は、
自由で創造的な交流を持てなくなってしまうとのこと。


「どうせ誰も自分のことを分かってくれない」


そう感じて心を閉ざし、他者との会話を拒否して自分の世界に閉じ込もってしまう。
そうすると、ますます理解されない状況を自分から確立してしまい、
他者との溝をさらに深める結果になるのだそうだ。


自分の「価値観」だけを基準に相手を決めつめてしまうと、
後で痛い目に会うことは非常に多い。


たとえば、
「小さい工程もあーだこーだと指摘する上司と仕事をするようになってから、
自分はかなり大ざっぱな性格だったのかなと気付く」
「会社が嫌で嫌で転職したけれども、自分が常識だと思ったことが通用しないと
分かり非常に戸惑った」
などなど。
プライベートでも、
「センスが良いと思っていたけれども、身の周りのことが何もできない人だと知った」
「美人で自分のタイプだと思って付き合ったけれども、性格が最悪だった」
「結婚して初めて、相手との価値観の違いを知った」
などなど。


前にも書いたと思うが、「自分らしさ」という言葉は、持て囃されることが多い。
あの人、「スタイルを確立していてカッコいいよね!!」みたいに…。
でも、表面だけを捉えてしまうと、ただのわがままな“イヤなヤツ!!”になってしまう。


人は、それまでの経験や体験を通じて、新しい出来事に対応できる方法を身に付けて行く。
その柔軟さは、人が生きていくために備わった力だと思う。
「自分主体で考えるのは良くない!!」ということではなく、
きちんと自分の心の“リアクション”と向き合う必要がある。


「えっ、オレってこの人のようにおっとりした人といるとイライラするんだ」
「オレは大きな声で威圧的に物をいう上司の下では委縮してしまうのか」


環境下のケースにおいても、
「自分は、1人で仕事をする環境の方がやり易い」
「自分はチームで仕事する方が作業が上手く行く」
「自分は、スケジュールに追われ焦りの気持ちがある環境下では良い仕事ができない」
などなど。


このように、自分の内面ときちんと向き合った後は、
自分の身近にいる人・信頼する人と、いなければ友人でも、
このことについて話合ってみることだと思う。
そうすれば、狭く滞りがちな視界も少しは開けてくると思う。


かく言う自分も
「居心地が良いな!」と思って貰える職場作りを日々熟考中であります…^^;